フランスのジヴェルニーという場所にあるモネの家と庭。かなり好きな場所の一つです。パリから電車とバスを乗り継いで2時間もかかるけど、何度も行きたくなります。
テレビ番組「美の巨人たち」で解説されていたので、覚書を残しておきます。
モネの庭1.JPG

家のピンク色が気に入って移住


家のピンク色が気に入って、43歳の時に10人家族で移住したとのこと。当時そんなに絵が売れていなかったので庭園を造る余裕はなく、この庭は、食料を得るための畑でした。

絵を描くように庭を造った?!


絵が売れ出すと、庭づくりに取り組みました。庭師に任せるのではなく、モネ自身が植物を選んだりレイアウトしたりしたのです。当時珍しかったチューリップの球根を買いにオランダにまで行ったんですって。

庭はキャンバス、植物は絵の具


高い所に赤や黄色といった濃い色の花を咲かせ、足元には薄紫の濃淡だったりいろんな色をちりばめたり。そういわれると、配色がそのままモネの絵のタッチに見えてきます。
モネの庭5.JPG


建物の色にもこだわりが


ダイニングの壁は黄色、キッチンは青色(補色の関係で、配色としては良いのかもしれませんが・・・)にしたのもモネのようです。太陽と空を象徴している?なんてコメントされていました。
さすがにアトリエは落ち着きのある色。一面に飾られている絵が見事です。
モネの庭2.JPG

庭のための家、庭から連続して美しいために、家の壁のピンクはそのままですが、グレーだった窓枠を濃い緑に塗ったそうです。かわいらしい配色で、庭に溶け込んでいますね。そして連続性のために、バラのアーチも作りました。(ちょっとさみしい気がしますが)
モネの庭3.JPG
この辺り一帯は、花の庭です。

水の庭のメインは? スイレンはたまたま置かれただけ??


セーヌ川から水を引いて、水の庭を造ろうとしたとき、「排水に外来の変な植物が混じってセーヌ川に流入する」と、反対運動が起こったけど、変な植物は植えていない、とモネは説得したそうです。
日本のたいこ橋が水の庭のメインでしたが、たまたま池に置いたスイレンが調和していたので、メインが交代しました。

スイレンの絵の様式が完成されるまで


描いたスイレンの絵はなんだか物足りなかったので、しだれ柳を置いてみました。スイレンの間の水に柳が映りこんだ様子を描いてみると、スイレンが埋没。
モネの庭4.JPG

試行錯誤する日々、水面にうっすら霧が漂っていたので、その様子を描いてみると、背景がすっきりして水面に浮かぶスイレンがくっきりと描けたのです。みなもの映り込みは霧で隠され、遠方のスイレンは霧にかすんで遠近感が生まれました。
そして、水蒸気が発生しやすいポプラを植え、霧が立ちこみやすいように庭を木で囲みました。

空気に透明感があって、お花の色がくっきり引き立っているし葉もキラキラ輝いていて、さすがいい場所を選んだものだ、と思っていましたが、ピンク色の家が気に入って購入したとは驚きです。
訪れるなら、バラが咲いている5月末~6月上旬がおススメ。パリよりちょっと気温が低く、花の季節はパリより遅いイメージです。
モネはピンクの家とその前に植えたチューリップの濃いピンクを楽しんでいたそうですが、チューリップよりバラでしょう・・・?
現地日本語サイト→http://fondation-monet.com/ja/