横山先生にいただいた著書『カムチャツカ学術紀行』に、満州で終戦を迎え、日本に帰ってくるまでのことが、少し書かれていました。一部をそのまま引用します。
『ラコウの収容所では若い女性がロシア人に毎日拉致されていく話を聞いていた。一夜の慰安婦として使われるのである。要するに輪姦され、翌日は廃人のようになって帰ってくる。ロシア人にとっては日本の女性の老若の判断ができない。そのうちに五〇~六〇才のオバサンまで被害にあうようになった。』
『新京にいたころには、ロシア人の子供たちによくなぐられた。彼らは白系ロシア人と呼ばれているが、ロシア革命のために逃げてきた貴族の子供たちである。彼らは大邸宅に住んでいて、我々のような日本の子供をみつけると、まっすぐ立たせてほほをぶったたくという遊びが流行っていた。「おまえたちは戦争にまけた国の子だからがまんすべきだ」と理屈をいう。妙なことに我々のほうでも何となくそう思ってしまって、じっと立っていた。』
戦時中の非人道的な日本兵の振る舞いに対して近隣国は避難していますが、日本人も、外地の一般人から非人道的な扱いを受けているのです。なぜ日本は、こういうことを抗議せず、一方的にケンカを売られてばかりいるのでしょうか・・・? マスコミには、このような生の体験談を掘り出して、日本人に、いや世界中に周知させてほしいものです。

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